「と、言うわけだからさ。
きっとこれから俺のファンの子に虐められちゃうかもね」
「……はい?」
「うん、俺熱狂的なファンいるからさ~。
何されるか…」
「…………」
血の気が引いて行く。
あたしは。
何て初歩的なミスを…。
そりゃそうだ、モデルでモテる彼だ。
ファンだっているし、そんな彼の彼女だと知ったら妬まれたりもする。
女の妬みほど、怖いものはない。
現にあたしが虐められた原因がそれ、だ。
見返すってことは。
あたしにとって。
諸刃の剣。
突き刺さる様な眼差しが怖い。
だけど。
同時に感じる羨望の眼差し。
彼女達が欲しくて欲しくて、焦がれている地位をあたしは手にしてるんだ。
恐怖と、優越感が交錯する。



