我慢していたのに、涙はあたしの目から溢れ出して来る。 あんな辛いイジメを、香奈は耐えていたんだ。 あたしにも言えずに、一人で。 その苦しみから逃れたくて、香奈は彩加と南津子に言われるがままにあたしをイジメたんだ。 被害者から加害者に変わってしまった。 そこには、何で気付いてくれなかったの?杏奈。そんな想いもあったのかもしれない。 「香奈。あたしね、死のうとしたの」 扉の奥から息を呑む音がした。