「だって、香奈の連絡無視してんじゃん」
「……何で、知って」
「月曜日、お見舞いって言って香奈の家に行ったんだもん。
お母さんとか私達の事、信頼しちゃってて喜んで部屋に上げてくれたんだよ?
それで、携帯見ちゃった」
「……っ」
言葉に詰まる。
彩加の言った通り。
確かに、あたしはあの日。
香奈を見捨てたんだ。
他の誰でもない、あたし自身が。
「事実を知ったから、今更友達ぶるの?」
彩加の、その言葉があたしの心を抉った。
彩加と南津子の手の平返した様な態度。
それに、辟易していたくせに。
「知ろうとしなかったくせに。気付かなかったくせに」
もう、何も言い返せなくて唇を噛み締めると、あたしは逃げるようにその場から逃げ出した。



