「あー、笑った。杏奈とは性格が正反対だよな」
「そうかも。あたし、まず芸能人とか興味ないし」
「うん、知ってる」
でも、あたしは緋人を本気で好きじゃないんだよね。
嘘を吐いた事に少しだけ胸が痛むけど、あそこで付き合ってないなんて言えないし。
「さてと。どこ行こうか」
「緋人、疲れてるでしょ?あたしどこでもいいよ」
「どこでも?じゃあ、俺の部屋とか連れ込むよ?」
「それは勘弁して下さい」
「あはは。嘘。だけど、二人きりになれるとこがいいな」
「何もしないなら」
「しないって。ちょっと静かなとこで話したいなって思ってさ」
「あ」
そうか。緋人は朝まで仕事してて、それからあたしのとこに来てくれてるんだよね。
商店街とか行ったら、緋人に話しかけて来る子もいるだろうし。
折角の休みなのに。



