「いいかな。緋人」
「いいよ」
それから、己奈子が携帯を持って来ると二人で写真を撮っていた。
うるさいぐらいにはしゃいでいたけど。
元々、己奈子はそういうのにミーハーだったのを思い出した。
あたしが全く興味なかったから、芸能人の会話をされても相槌ぐらいしか打ってなかったし。
緋人を知ってるって事に驚いた。
だけど、それ以上にこのテンションの上がり方に驚いた。
お母さんにはお祝いなんていらないと念を押してから、緋人と共に外へと出る。
緋人はさっきから笑いっぱなしだ。
「くくっ、苦しい。まじで杏奈の妹おもしれー」
「……あたしも二人のテンションに驚いてるんだから」
気恥かしさから口を尖らせながら素っ気なく言う。



