「はい」

『あ、杏奈?おはよ』

「おはよ。寝てると思ってた」

『まあ、土日に仕事入ると大体こんな感じだよ』

「そうなんだ。大変だね」

『京香さんに仕事場まで車で連れて行ってもらってるとこ』

「そっか」

『俺、今日いつ解放されるかわかんないし、杏奈と電話出来てよかったわ』

「いつ解放されるかわかんないって…」

『そのまんま。ショー打ち合わせの後、テレビ撮影だからさ。
撮影なんてどんだけ時間かかるかわかんないし』

「そんな大変なんだ」

『そーそー。だから、会ったら杏奈癒してね』

「え?」

『あ。もう切らなきゃ。京香さん怒ってる。それじゃ、終わったらメールする』

「うん」

『悪いな。それじゃ』


あたしが返事をする前にその電話はぶちっと切られた。
なんか、嵐の様だった。