「俺は安達秋人です。あのー、これって撮影かなんかですか?」
「そう、撮影。人が足りなくて困ってたの」
「うっわあ。俺、髪の毛今微妙なのに…。こんな事なら先延ばしにしないで美容室早めに行くんだった」
「あはは。大丈夫。今でも十分カッコいいよ」
うん、桜井さんと一緒であたしも別にカッコいいと思うが。
だけど、秋人さん基準で言うとダメなんだろう。
「あー、俺は本間清二です」
撮影にも周りにも興味ないのか、そう答えると本間さんはちらっとあたしを見た。
苦笑いを浮かべると、ニコッと返してくれる。
ふわふわの髪の毛でやっぱり茶色い。
ぱっちりとした目でこっちを見る。視線痛いんですけど。
あたしはそっと清二さんから視線を逸らした。



