「……………」
あれ?
なんか
覚悟してたものと違う気が…
「責任取って、
俺の彼女になってよ」
と言って見つめる彼の視線から
なぜか逃れられない。
蛇に睨まれたカエルって
まさにこのこと。
「…そ、それは無理です!」
私は恐る恐る、でもハッキリと言った。
「なんで?」
私の勇気も虚しく
彼はケロっとした顔で聞いた。
「それは…その…
あた、あたし、付き合ったことないんで」
申し訳なさそうに言うと
彼は子供みたいな笑顔で笑った。
「ははっ!
何それ、なら俺と付き合えばいいじゃん。
今付き合わなかったらあんた一生それを理由に断り続けることになるんだよ?」
なんだかさっきまでの蛇のような気迫はない。
「…そ、そっか。
それも心が痛むなぁ。
でも私、あなたのこと好きじゃ…」
言いかけたとき、
彼の手が私の口を塞いだ。
「好きになるよ、絶対」
そう言って微笑んだ。
「りーーーーーん!!!」
そして廊下から響く美来ちゃんの声。
「…あ!メール返してなかった!!」
私は勢いよく立ち上がり
お約束の机に頭をぶつけるといる
ベタなボケをやってしまった。
「凛ごめんね遅くなっ…どしたの?」
しゃがみ込んで頭を抑える私を見て
美来ちゃんは駆け寄った。
「凛!大丈夫?!
てかなんで神崎が?
凛に何かしたらただじゃ済まないからね?」
美来ちゃんは神崎くんに噛み付く。
「…はいはーい。
じゃーね、凛ちゃん。」
そう言うと彼は去って行った。
私はその後ろ姿を
頭をさすりながら眺めていた。
