「こいつで良くない?」
マッチョが空いている方の手で私を指差す。
「そうだな。女の方がモチベーション上がるし。」
のっぽが答える。
一体、何がわたしでいいのだろう。
「女の方が楽しいしな。俺も賛成。」
チビの同意もあり、標的が店主から私に変わった。
店主は解放され、そいつはそそくさと逃げて行った。
とんでもなく嫌な予感がして私も逃げようとしたのだが、恐怖が勝って足が動かない。
チビはナイフをポケットに戻し、のっぽがじわじわと近づいてくる。
動きたい。けど動けない。
のっぽは私の目の前で止まった。

