雪が静かに舞い落ちる中、私は学校にマフラーを置いてきてしまったことを後悔した。


「厄日だな…」

小さくつぶやく。

家に携帯電話を、学校にはマフラーを忘れ、雪のせいでバスが動かず、駅から歩く羽目になったのだ。


挙げ句の果てに、今日は母親がやってくる。



私はあの女が憎い。



あの女のせいで父親が家を出た。




あの女のせいで小学校の時、酷いいじめを受けた。




あの女のせいで私は左右の目の色が違う、いわゆるオッドアイという容姿で生まれた。



あの女の男グセのせいで私は自分の実家から追い出され、一人で暮らさなければいけない。



全部…全部あの女のせい。