その時だった。

いつかに聞いたことのある音がしたのだ。

カンカンカンという鐘の音。

ブゥーンという大きなブザーの音。

誰がどう聞いても、緊急事態を思わせる、この音は…!

「え…。」

私は思わず声を漏らした。

「どうしてだ…。」

パラリンの声は震えている。

「も、モンスタータイム?」

セイラさんが確かめるように尋ねる。

「そんなバカな…。今朝起きたばかりじゃないか!」

アルマはそう言いながら勢いよくドアの方へ走る。

誰もが驚いた。

だって、モンスタータイムはもう終わったんだ。

次に起こるのは、一ヶ月後のはずなんだ。

それなのに、何で。

「…っ!」

そのまま勢いよくドアを開けたアルマは固まってしまっている。

私は急いでアルマの方へと駆けた。

そこには、目を疑う光景が広がっていた。

至る所から現れてくるモンスター達。

焦りながらも必死に町を守るために戦う町の皆。

紛れもない、モンスタータイムだ。

「ど、どうしてっ。」

私は小さな声で呟いた。

「み、皆!とにかく戦わないと!」

アルマが皆の方を向いて叫んだ。

「えぇ、そうね。」

セイラさんも焦りながらではあるが、答えてくれた。

そして、急いで外に行った。

その時だった。

「グハハハハハハ。」

男の笑い声が聞こえてくるのだ。

すると、モンスターの動きが止まった。

「も、モンスターが!」

町の皆も驚いている。

すると、私達の目の前に、空間の割れ目が出現したのだ!

「こ、これはっ!」

セイラさんが声をあげる。

その割れ目の向こう側から、何かが見えた。

…人影だ!