「…ガラガラ。」
その時、病室のドアが開いた。
それは、キュリだった。
「あ、キュリ。」
セイラさんが微笑む。
「体調はどうですか?」
「おかげさまで、ずいぶん良いわ。」
「そう。良かったです。」
今回は、キュリのおかげで助けられた。
キュリにも、お礼を言わなくてはいけない。
「シャリアも、体調はどう?」
キュリが私に問いかける。
「大丈夫だよ。ありがとう。」
「二人とも無事で良かったわ。」
心の底から喜んでくれているキュリを見て、嬉しくなった。
「あのさ、キュリ。」
「ん?どうかした?」
「セイラさんの怪我、治してくれてありがとう。」
「え?良いのよそんな。あたしは見習いの医者だもの。当然の事をしたまでよ。」
「でも、キュリがいなかったら、今ごろセイラさんの怪我は治っていなかったかも知れないし、もしそうなっていたら、私、耐えきれなかったと思うから。」
「…。」
「だから、本当に感謝してるの。」
もし今、セイラさんの怪我が治っていなかったら、私はどうなっていたんだろう。
自分のせいだって、どうしようって、自分の事ばかり責めて。
でも、セイラさんの病室に行く勇気なんて無いから。
責めて、責めて、責め続けて。
そこから抜け出せなくなってたと思うんだ。
でも、キュリがセイラさんの怪我を治してくれたって知って、そこで初めて、ちゃんと病室に行って謝らなきゃっていう勇気を持つことが出来た。
それは全部、キュリのおかげなんだ。
キュリには本当に感謝してる。
そんな私に、キュリは微笑んでこういった。
「シャリアって、友達思いなのね。」
「…!」
「本当。シャリア、あたしの事を心配してくれて、ありがとう。」
セイラさんも、私に微笑んでくれた。
嬉しすぎて、笑顔が止まらなかった。


