魔法の国の少女


私はゆっくりと体を起こした。

まだ少し頭が重い。

パラリンが肩を貸してくれて、なんとかセイラさんの病室まで行った。

「あら、シャリア。」

セイラさんが私に気付く。

寝てはいるが元気そうでなによりだ。

パラリンは私を椅子に座らせてくれた。

「じゃ、あたいはロビーに戻ってるな。」

「うん。ありがとう。」

そう言って、パラリンとは一旦別れた。

「あたしに、何か用でも?」

話を切り出してくれたのは、セイラさんだった。

自分からはとても切り出せなかったら、正直助かった。

ここに来て、何故か緊張感が私を襲った。

何からどう話せば良いのか、気付けば頭の中は真っ白で、何も考えられなくなってしまっていた。

このままじゃいけない。

とにかく私は深呼吸をした。

それでなんとか自分を落ち着かせた。

「私…。」

セイラさんは優しい目で耳を傾けてくれた。

「セイラさん、ごめんなさい。」

「えっ?」

「私のせいです。私がちゃんとシールドをはらなかったから…。」

「…。」

「だから、セイラさんが背中に怪我を…!」

…声が震えてた。

とてつもない罪悪感に襲われて、今にも泣きそうになってた。

でも、私は泣いちゃだめだ。

私なんかよりもっと辛い思いをして、痛い思いをして、本当に泣きたいのは、セイラさんだ。

そして、その原因は全て私にある。

だから、私が泣くなんて間違ってる。

「本当にっ…ごめんなさい!」

でも、そうは理解してても、声は震えて。
感情は押さえきれなくて。

目の前がぼやけて見えなくなった。