魔法の国の少女


でもやっぱりすごい怪我だったんだ。

本当に申し訳ない。

私が力不足だから…。

皆の事、守るって決めてたのに。

キュリにすごく感謝してる。

もしキュリがいなかったらって考えたら、それだけでゾッとする。

そしたら、セイラさんの怪我は治っていなかった訳だし、もっと大変な事になっていた。

とにかく、本当に良かった。

「セイラさん。」

私は、気付くと言葉を発していた。

「ん?どうかしたのか?」

「セイラさんに、謝りに行かなくちゃ。」

「え?」

「私のせいだから。私がいけないから。私の不注意でセイラさんが怪我をしたから。セイラさんに、謝らないと。」

私の言葉を聞いたパラリンは真剣な顔をした。

「セイラさんの怪我はシャリアのせいじゃないよ。」

「…。」

「それに、別にセイラさんは怒ってないし。」

「…。」

違う。

怒ってるとか怒ってないとか、そういう問題じゃないんだ。

とにかく、謝りたいんだよ。

セイラさんに。

「…302号室、ここの右隣だよ。」

パラリンがゆっくり答えてくれた。

心の中では私の気持ちを良く理解してくれる。

いつもいつも、私の心情を察してくれる。

私は感情を言葉にして表さないから、対応は難しいはずなのに。

パラリンには本当に感謝の言葉しか無い。

パラリンに何度、精神的にも肉体的にも救われただろう。

「パラリン。」

私は、今までで一番大人っぽい声でパラリンを呼んだ。

「ん?」

「ありがとう。」

「…!」

「本当に、ありがとう。」

今までも、これからも、全部の気持ちを込めた感謝の気持ちだった。

「いんや。いいんだ。」

パラリンも同様に、微笑んでくれた。