魔法の国の少女


もう一度セイラさんの方を見る。

っ、もうだめだ!

「セイラさぁぁぁん!」

私は全力で叫んだ。

「きゃあーっ!」

その叫びもむなしく、モンスターはセイラさんに攻撃をした。

パァン!

今になってシールドが破れた。

でも、そんなことはお構いなしに、とにかくセイラさんのものまで走った。

「っ、セイラさん!大丈夫ですかっ?」

倒れたセイラさんを抱きかかえると、その
背中には大きな引っかき傷があった。

じわじわと血がにじみ出てくる。

どうしよう。

私のせいだ。

私がちゃんとセイラさんの回りにシールドをはらなかったから。

私のせいで、セイラさんはこんな怪我を…っ!

思い詰めたら止まらなかった。

「ぐぁぁぁぁぁ!」

またもやモンスターがこちらに突進してきた。

私は自分のせいだという絶望感のせいで、シールドをはることができなかった。

それどころか、気持ちまでどこか違うところへ行っていた。

「シャリアッ!」

そんな私の名前をパラリンが大きな声で呼んだ。

「ハッ?」

我に戻った私はモンスターの方を向いた。

まずい!

このままじゃまたやられる!

そう思ってシールドをはろうとした。

だけと、シールドがはれない!

魔力が全く起こらないのだ。

どうしよう。

もう、すぐそこにいるのに。

どうすることも出来ないと私は察した。