魔法の国の少女


あとは、これを臨機応変に出来るかどうかだ。

素早く状況を判断し、危ないと思ったその瞬間にシールドをはれなければ意味がない。

はれたとしても、弱々しいシールドでは話にならない。

皆に迷惑をかけることだけは絶対に嫌だ。

正直、自信は無い。

不安だらけ。

でも、皆に恩を返さなくちゃ。 

そして私は皆と一緒に夕食を食べ、早めに寝てしまった。

力を蓄えて、その力を存分に発揮してやるんだ。


…チュンチュンチュン。

朝、鳥のさえずりに起こされた。

今日が来てしまった。

モンスタータイムってどんなモンスターが現れるのだろうか。

不安に震えていると、セイラさんが喋った。

「何度も言うけど、危ないと思ったらすぐに避難するのよ。」

私はセイラさんの目をまっすぐ見つめてう
なずいた。

セイラさんが部屋を出ていき、パラリンもすでにリビングで、部屋には誰もいなかった。

本番に備えて、もう少しシールドの練習をしよう。

そう思った瞬間の出来事だった。

カンカンカンカン!

鐘の鳴る音がした。

ブゥーン!

それと同時に大きなブザーの音も鳴り響く。

誰がどう聞いても、緊急事態を思わせる音だった。

嫌な予感が私の脳裏を駆け巡った。
こ、こんな早くから…!?

その時だった。

リビングからセイラさんの叫び声が聞こえた。

「シャリア!モンスタータイムよ!」

私はとにかくリビングまで走った。

不安と緊張で心臓はバクバクだった。

でも、こんなことで正気を保てなかったら、モンスターとは戦えない。

そう言い聞かせ、なんとか心を落ち着かせ
た。

「ッチ。何で今日はこんなに早いんだ。」

パラリンが舌打ちをした。

その時、セイラさんが私の方を向いた。

目で何かを伝える。

その目は、私を心配しているようにも見えた。

でも私は、それを応援してくれているのだと言い聞かせて、静かにうなずいた。

「行くよーっ!」

セイラさんの大きな叫び声と共に、大きくドアを開けた。