魔法の国の少女


あれからどれほど練習しただろう。

あたりはもう暗くなり始めていた。

「つ、疲れた…。」

練習を終えた私は、リビングでくつろいだ。

でも、かなり上達したと自分でも思う。

「おつかれー!」

セイラさんがジュースをコップに入れてきてくれた。

「あ、ありがとうございます!」

私はそのジュースを一気に飲み干した。

「っぷはー!」

なんて気持ちが良いんだろう!

セイラさんも笑ってくれていた。


…でも。

今私が練習してたのは、シールドの強度。

自分の回りにしか、シールドをはれていない。

明日は、自分じゃない誰かの回りにはらなければいけないのに。

その練習はしてない…。

私は一目散に部屋へ戻る。

今日、アルマ達は皆学校で居ない。

帰ってくるのはもう少ししてからだろう。

この誰も居ない部屋で、私は密かに練習す

ることにした。

ベットの上に、少し大きめの物を置いた。

そして、そのベットから離れる。

…ここから、あのベットの上に置いた物の回りにシールドをはることができれば。

自分じゃない物の回りにシールドをはるのは始めてだから、緊張した。

でも、ちゃんと落ち着いて、真剣にやれば大丈夫。

そう言い聞かせて、私はスイッチを切り替えた。

「…ハッ!」

全神経を集中させてシールドをはる。
パァン。

弱々しいものが作れたものの、すぐに破れてしまった。

だが、自分ではない物のところにはることができた。 

それが嬉しかった。

それから、アルマ達が帰ってくるまで練習を続けた。

だいぶ強度もあるシールドを、スムーズにはれるようになった。