魔法の国の少女


そして私とセイラさんは外に出た。

「まずは、自分の回りにシールドをはってみて。」

「はい!」

「そしたら、あたしが弱い光をぶつけるわ。たえるのよ。」

私はうなずいた。

シールドの強度を試すのだ。

私は意識を集中させ、祈った。

全身をパワーが駆け巡る。

両手を開き…。

「ハッ!」

シールドが現れた。

だいぶスムーズに出来るようになってきていることに、喜びを感じた。

すると、セイラさんが本当に小さな光の球をつくった。

「いくわよ。」

すると、光の球は一直線に私に向かって飛んできた。

私はぐっと身構えた。

…パァン。

弾ける音がした。

でも、私は無傷だった。

シールドが、私を守ってくれたのだ。

それは、私が始めてシールドを使って自分の身を守った瞬間だった。

「出来たじゃない!」

セイラさんは、自分の事のように喜んでくれた。

確かに、嬉しかった。

でも、こんなんじゃだめだ。

こんなんじゃ明日、皆に迷惑をかけてしまう。

「もっと…。」

「え?」

「もっとやって下さい。遠慮なんか無しに。」

「でも、それじゃあ…。」

「お願いします!じゃないと、皆に迷惑かけちゃうと思うんです。それだけは嫌なんです。」

私は勢い良く頭を下げた。

皆に迷惑はかけたくない。

だから、もっと効果的な練習をしなきゃ。

「セイラさん!お願いします!」

私はもう一度、セイラさんに頼んだ。

「…分かったわ。本当に遠慮しないわよ?」

セイラさんの声は真剣そのものだった。

「はい。」