魔法を使えるようになりたい。

まず、この目標は達成した。

それは、皆のおかげ。

だからこそ、次は皆にこの恩を返したい。

皆にもらった、この魔法を使って。


「モンスタータイム?」

私はセイラさんに聞き返した。

セイラさんとおしゃべりをしていたら、急に真剣な顔になるものだから、私も少し緊張気味になってしまった。

「そう。」

「な、何ですか?それ。」

セイラさんの説明によると、それはクリスタル王国で唯一起こる、邪悪な時間なのだという。

その時間になると、至るところからモンスターが出てきて、町を破壊するのだそうだ。

そいつらは毎月、月の始めに一度だけ来るのだと言う。

そのとき、戦える魔法を持っていない者達は家に避難し、戦える魔法を持つ者はモンスターと戦わなけらばならない。

でないと、町を破壊されてしまうからだ。

だがその時間は30分で、その一定の時間を過ぎると、モンスター達は消えていくのだと言う。

そのモンスター達は光が弱点のようで、セイラさんは常に町のリーダーとして戦っているのだそう。

…こんな穏やかな王国にも、邪悪な時間があるのか。

少し怖くなった。

「次にそのモンスタータイムが起こるのは、明日なの。一応、話しておかないと危険だと思って。」

「…。」

「あたしとアルマとキュリとパラリンは戦いに行くわ。でもシャリアは、まだ魔法も出来たばかりだし、危険なのよ。だから、カルマと中に避難しててほしいの。」

…そっか。

私は、まだ危ないんだもんね。

戦うことなんか到底出来ない、未熟者。