私はもう一度練習を始めた。
さっき、私が倒れたときに体全部を駆け巡ったもの。
きっと、あれをコントロールすれば、魔法が使えるはずなんだ。
それから何度も何度も、同じ事を繰り返した。
やはり、何も起こらないことの方が多かった。
それでも、熱を感じるときもあった。
それが私をさらに動かした。
でも、あの時のように、全体を駆け巡るものを感じることはなかった。
それが悔しくて、何も出来ない自分が嫌で、何度も泣きそうになった。
でも、皆が居てくれたから、私を励ましてくれたから、続けられた。
まだまだやめらんない。
諦めずに続けることが、私の義務。
気付けば、もう日が暮れ始めている。
それが、私をさらに急かした。
早くしなきゃ。
そんな私にパラリンが話しかけた。
「シャリア、もう…。」
…な、なによ。
止めようって言うの?
やだよ、そんなの。
まだまだこれからなんだよ。
あともう少しで、出来るはずなんだよ。
「あと、もう一回。」
私はパラリンの言葉をさえぎった。
目を閉じて集中する。


