ガチャ。
その時、家の扉が開いた。
「おまたせ、シャリア。」
セイラさんがにっこりと微笑む。
「よーし、やるぞ。」
パラリンが腕を組んでキリッとした瞳で言った。
すると、また扉の開く音がした。
私たちは、反射的に扉の方を向く。
「おれ達も手伝ってやるよ。」
「っ!?」
なんと、その声の正体はアルマだった。
…アルマ達も来てくれたのだ。
私って幸せ者だなぁ。
つくづく思うよ。
私なんかの魔法の練習のために、皆来てくれるなんて。
「それじゃ、まず、手本を見せるわね。」
すると、セイラさんは両手を空にさがした。
ピカァー!
いつかのティセラさんの時のようだった。
とてつもなく眩しい光は、間違いなくセイラさんから放たれていた。
するとその光は一つの球のような形に変化した。
その後も、セイラさんの手の動きに合わせて、自由自在にその光の球は動いた。
なにより、光の球を思うがままに操っているセイラさんが格好よくて仕方がなかった。
すると、セイラさんが手のひらを、シュッと結んだ。
まるで、指揮者が音を切る時のように。
その瞬間、光の球は跡形もなく消えてしまった。
「…。」
驚きのあまり口が聞けなくなってしまった。
そんな私にセイラさんは説明をした。
「私達も小さい頃は、魔力が一人前になるまでよく練習してたわ。」
「…。」
「確かに最初は難しいけれど、経験を積み重ねて行くうちに、魔法を自分の物に出来るから。」
「時間、かかります…?」
「少し練習をして、コツをつかめればすぐよ。でも、その力を自分でコントロールしていくには、時間がかかるわね。」
「っ…。」
「大丈夫よ。必死で毎日取り組めば、結果もついてきてくれるわ。」
私はその言葉に少し癒され、ゆっくりうなずいた。


