私の魔法はなんだったっけ。

ふと、こんなことを思った。

あの時、魔法を使ったキュリがとても格好良かったことを覚えている。

私も、あんな風に魔法がつかえるのだろうか。

キュリは回復使い。

人の傷を癒す魔力を持っている。

私はシールド使い。

でも、シールド使いってなんなのだろう。

なにをどうすることが出来るのかな。

早く、自分で魔法が使えるようになりたい。


家にお邪魔させてもらい、皆と打ち解ける事が出来た、その日の夜。

アルマとカルマは向こうの部屋。

セイラさんとパラリンと私は、同じ部屋にいる。

私はパラリンのベットにお邪魔させてもらった。

アルマ達が寝静まったであろう時間に、私達はひっそりとおしゃべりをしていた。

実はセイラさんは料理が苦手な事。

でもパラリンは料理が得意だからカバーしてもらってる事。

実は両親が数年前に他界してしまった事…。

たくさんの事を教えてもらった。

そして、その事を知ることによって、さらに仲を深められることが嬉しかった。

寝ることなんか忘れていた。


すると、パラリンが興味津々にこう切り出した。

「シャリアってシールド使いだよな?どんなこと出来るの?」

えっ。

そ、そんなこと言われても…。

「…魔法、使った記憶なくって。」

私だって分からないよ。

「あっ、そうなのか。」

パラリンは申し訳なさそうな表情をした。

私はパラリンを傷つけてしまったと思い、眉間にしわを寄せてしまった。 

その空気を整えるかのように、セイラさんが言葉を発してくれた。

「そうだわ!」

「はい?」

「シャリア!明日あたし達と一緒に、魔法を使う練習をしない?」

「えっ。」

「何事もやってみなきゃ分かんないし、シャリアの魔法、見てみたいもの。」

「…っ!」

「シャリア、いいでしょ?」

パラリンも私に微笑んでくれている。

私は迷うことなく、笑顔でうなずいていた。