魔法の国の少女


「あ、いたいたっ!どこ寄り道してたんだよー!」

「悪い悪い、ちょっとな。」

後ろから駆けつけてきた少女は、リスやネズミなどの小動物をたくさん引き連れていた。

「えっ、なにこの可愛い子っ!始めて見た!」

その少女は私の肩を掴んで目を輝かせている。

可愛いだなてんて、照れるなぁ。

と、少し頬を赤らめる私。

「あたい、パラリンだよ。動物使いなんだ。よろしくなっ。」

「私は、シールド使いのシャリア。よろしく。」

キレイな顔立ちで、男の子以上にサバサバした性格。 

かっこいいなって、憧れた。

すると、カルマがふと思い出したように言った。

「このあと、シャリアの事どうするの?」

「…。」

しばらく皆の沈黙が続く。

皆…、困ってる。

そうだよね。いきなり現れたんだし、いく

場所がないのは分かってる。

でも、ちょっと辛いよ…。

やだなぁ、私。皆に迷惑かけて。

うつむいていると、アルマが提案した。

「シャリアが良かったら、おれ達の家に来ないか?事が片付くまでの間さ。」

「えっ、良いの?」

「良いよ。だってもうおれ達の仲間なんだから。」

「…っ!?」

涙が出そうになった。本当に嬉しかった。

「ありがとぉ…!!」

そんな私に、パラリンが話しかけてくれた。

「シャリア!あたいのベッドに来い!」

「えっ?」

「アルマとカルマとあたいは、同じ家に住んでるんだ。」

そ、そうだったのか。

パラリンが居てくれて、心強いと思った。
あれ?でも。

「キュリは?」

すると、キュリが答えた。

「私は、医者の見習いだから、病院の空き部屋に住んでるの。」

「病院?」

「そう、クリスタル王国に一つしかない、クリスタル病院。でも、クリ町まで行かないといけないから大変なのよ。」

私はなにも言わずにうなずいた。