魔法の国の少女


「じゃあ、取りあえず、一緒に町まで行こう!」

「町?」

「そう。ここ、クリスタル王国には、4つの町があるんだ。」

アルマは、私に細かく説明してくれた。

「クリ町、リス町、スタ町、タル町。おれ達は、タル町に住んでる。」

「へぇー。」

「おれらが今いる、このティセラさんのクリスタル像の…。」

「ティセラさんっ!?」

…し、しまった!

ティセラさんという名前を聞いて、過敏に反応してしまった!

「そう、ティセラさん。」

確かに、良く見てみると、ティセラさんに似ていた。

つい、アルマに質問を投げ掛ける。

「ティセラさんって、どんな人なの?」

「実在する人ではないよ。でも、このクリスタル王国を作り上げたっていう言い伝えがあるから、こうして大切な存在として奉られているんだ。」

「そう。」

気づけば、私はアルマの説明を邪魔してしまっていた。

申し訳ない思いに駆られていたが、アルマは説明を続けてくれた。

「この噴水がある広場は、王国の中心部なんだ。ティセラさんのクリスタル像から見て、真っ直ぐ進むとクリ町、右はリス町、後ろはスタ町、左はタル町に繋がっているんだ。」

「つまり、今から私達は左に向かえば良いのね。色々とありがとう、アルマ!」

私はアルマに向かって笑顔を見せた。

アルマのおかげで、ほんの少しだが、ゲーム界について知ることが出来た。

「お、おう。それじゃあ、行こうぜ。」

一瞬、アルマが笑ってくれたような気がした。