通学電車~君と僕の部屋~

「もうさー。そんな好きならコクっちゃえばよくない?」
「まさの新しい彼、そのショウって人と同じ南高だよお!まさ、ショウのこと聞いてみようか?」
「い、いいよいいよ。二人とも!」
「えー。でも・・・・・」
「いいから、私は見てるだけで幸せなの!」
不満げな亜佑美と優樹を無視して、私もドーナツを食べた。
ドーナツは甘くて美味しくて、口の中でふんわり広がっていった。
まるで、今の私の気持ちみたいだ。
「ハルカって、彼氏いそうなのに意外だよね」
「うんうんっ。今まで彼氏いないなんてウソみたいーッ!」
「ほっといてください・・・・・」
なぜか、彼氏がいそうだと誤解される私。
本当はそんなことないのに・・・・・。
実際の私は、臆病でいつもビクビクして。友達がいないとなんにもできない。
・・・・・こんな私に、彼氏なんてできるわけがないんだ。
「とにかく。ウチら三人の中で、彼氏いないのハルカだけなんだからね」
「そうだよー。早く彼氏作ってまさたちとダブルデートしよ♪」
「なんならウチらがオトコ紹介しようか?」
「ダメだよっ!ハルカはショウにラブなんだからぁっ♪」
「いやでもさぁ。こういう場合、色々経験しといた方がよくない?」