・・・・・眠い。
ガタンゴトンと、揺れる電車が余計に眠気を誘う。
私はアクビを噛み締めながら、吊革をつかみ直した。
電車の振動に合わせて、私の体もゆらゆらと揺れる。
いつもより空いている朝の電車。その分、居心地はいいんだけど・・・・・。
(もう。・・・・・こんなに空いてたんじゃ、彼を堂々と見れないよ)
こっそり車内に視線を送る。あのひと・・・・・ショウは、どこにいるんだろう。
これじゃまるでストーカーみたいだ。なんて、心の中で苦笑する。
でも探さずにはいられない。ある意味、朝の日課になっていた。
(・・・・・・見つけた)
彼は、意外にも私の目の前の座席に座っていた。
(・・・・・近っ!)
こんなに近くにいたなんて。予想外すぎてビックリする。
なんで気がつかなかったんだろう。今日の私、寝ぼけすぎだ。
昨日、遅くまでテレビを見てたのがいけなかったみたい。
寝不足気味の頭は、まだボーッとしている。
(・・・・・やっぱり、カッコいいなあ)
ドキドキしながら、寝ている彼に見とれる。
長い足を投げ出し、うたた寝している彼。色素の薄い髪はサラサラで、
電車の窓から入る光が綺麗に反射している。