いつものように、僕は歩いて中学校に登校した。
僕の通学路は、比較的人通りが多い道ばかりだから、行きも帰りも安心して歩ける。
 ただ、家から通学路に出るまでに、ほんの少し、50メートルくらい、ほとんど人が通らない道がある。
まぁ、僕が裏道として利用してるだけで、ちょうど他の人からは死角になってるんだろうけど。

僕はいつも通り、その道にさしかかった。

「?」

いつもは人を見かけない道なのに、道端に、みすぼらしいナリをしたおじいさんがしゃがみこんでる。

…ホームレス?
行き倒れ?

僕はちょっとビクつきながら、おじいさんの脇を通り過ぎようとした。