ジリリリリリリリリリリッ!


「ひいっ!」


壮大な目覚まし時計の音が部屋に響き渡っている。


勢いよく飛び起きたのはいいものの、まだ頭は半分夢の中にいた。


あれ…?


私、目覚ましなんかセットしたっけ…?


ボーッとした状態で未だに鳴り響いている時計を止め、時間を確認すると、まだ朝の7時だった。


「今日は3限からだし、まだ寝れるな…」


高校の時は毎朝この時間に起きてたと思うと、大学生最高だな。


って、3年生になった今でも思う。


携帯のアラームを1時間後に設定して、また布団に入った。


……あれ?


あの目覚まし時計って、確か高校卒業する前に壊れたんじゃなかったっけ……


「美夜子っ!」


バンッ!と勢いよく開いたドアから、お母さんがこれまた勢いよく入ってきた。


朝から心臓に悪い!!


「なんで目覚まし止めてるの!遅刻するでしょ!」


「はあ…?月曜日はいつも3限からじゃん」


「何言ってるの?今日は入学式なんだから3限も1限もないです!ほら、さっさと起きて朝ご飯食べる!」


私の体を包んでいた布団が豪快に剥がされる。


季節は春だというのにまだ朝はどうも冷え込む。


うう…入学式ってなに?


もしかして私、まだ夢の中にでもいるの?