「藤咲くんっ!おはよー!」
「おう」
最近朝や放課後のタイミングがわかってきて、靴箱で会える機会が増えていた。
毎日会えるわけじゃないけど、今日みたいに朝から会えた日は、もう一日ハッピーってわけ!!
ああ純平くん、今日も素敵です……
「顔。にやけてる」
いっちーは気持ち悪そうに眉をひそめている。
だけどそんなのも気にならない!
いっちー、純平くんに感謝してねっ!!
「あ、美夜子」
「芽衣おはよ〜〜」
「おはよ。今日もテンション高いね」
「まあねっ!」
グッとピースを芽衣に向けてから、背負ってたリュックを下ろし机の横にかける。
すると自然と八城と目が合った。
ん?なんか不機嫌?
「どした?」
「え?あー…ちょっとね」
「まさか彼女に振られたとか〜?」
八城に彼女かいるかどうかなんて知らなかったけど、男子が落ち込んでるとこうやっていつもからかう。
単純に面白いから。
なのに、八城の反応は思ってたのより面白くなくて。
…というか、笑えるものではなかった。
「…えと、八城……?」
なにこの落ち込みようはっ!!
くらっ!こいつこんなだったっけ!?
5年前よりも確実に話すようになっていた八城は、このクラスで一番気の合う男友達で。
純平くんだけじゃなくて、友達関係も変わるんだなーとか思ってたんだけど。
やばい、友達関係、壊してしまった?
「ごめん八城。ほんとにそーだとは思わなくてっ」
「謝んないで。よけー辛くなる…」
うわあああああああんっ!!
ごめんなさい!ごめんなさいいいいい!!!!
見た目はチャラく見えるのに、まさか彼女に振られてこんなに落ち込むなんて。
やっぱり人間は見た目だけじゃわからないもんだな。
「話、聞くよ?」
「ありがと。いつか聞いてくれ…」
そっか。
男のコでも失恋はこんなに辛いんだなー…。

