「すごいね、そんな長くやってて」
「いやいや、ふつーだよ」
「そんなことないよー!バスケってすごい大変なイメージある…」
「そう?」
「うん。コートは狭いけど、それをダッシュで行ったり来たりで…しかも40分じゃん?ほんとバスケやってる人尊敬するもん」
「まあ確かに、体力は必要だね」
「藤咲くん40分持つ?」
「いや、全クウォーター出ない時もあるからなんとも言えないけど、俺スタミナないからな〜」
「じゃあシュート役?」
「決まってるわけじゃないけど、わりとパスかシュートで終わらせちゃうとこあるかも」
「え、ちょっとここでシュートやってみてよ〜!」
「ええ?どうやって?」
「フリでいいからさ。シュッて!」
「え…なんか恥ずいからやだ」
「えっ!ちょっとでいいからさあ」
「んー。はいっ」
「おー!綺麗!なんか、詳しいわけじゃないけど、フォーム?すごく綺麗だね!」
「いや、俺よりすごいのもっといるよ」
「他の人はよくわかんないけど、藤咲くんの綺麗だと思ったよ!」
「んーありがと」
ハニカミ笑顔を見せる純平くん。
どうしよう。
純平くんが笑ってくれた。
こんな近くで笑顔見たの、久しぶりだあ…。
なんか会話もいい感じに出来てるし、どうしようほんとに嬉しすぎて泣ける……
「あ、ね、藤咲くん」
出そうになる涙を誤魔化すために話題を変えようと思った。
でも、呼んだはいいけどとっさにいい話は浮かばなくて。
ん?って顔をした純平くんがすごくかわいくて。
「く、靴箱がうちら上下なの知ってる?」
やっとこさ出たのが、これだった。
またやらかしたよ…
バスケと何も関係ないじゃんよ……
もうアホだ私。恥ずかしい。
「知ってる」
もう一度話題を変えようかと悩んだけど、純平くんはそう答えてくれた。
しかもちょっと、意外な答えでもあった。
「藤咲と藤澤だし、そうなのかなって思ってた」
ああもうどうしてこの人は。
さらりと涙を誘うことを言うのかな。
私の名前、覚えててくれたんだ。
「ほんとにー!?靴箱に名前書いてないから、知らないと思ってた!」
「まあ確信はなかったけど」
「一文字しか変わらないんだし、まあ当然っちゃ当然だよね!」
この話をするのが、この委員会の時間でよかった。
作業をしながらだから、ずっと目を合わせてなくても不自然にならない。
だって今、きっと純平くんのことを見たら、泣いてしまうと思うから。
それくらい、嬉しくて。
それくらい、好きで仕方ない。

