いけないとはわかっていても並走しながら自転車を進める。
高校までの道のりは幸運にも車通りの少ない広い道なので、多少の並走は問題なかった。
「今日委員会じゃん」
「えっ、まじ!?忘れてた!」
いっちーはこういう学校行事をよく覚えていて、朝に伝えてくれるからすごくありがたい。
私はすぐ忘れちゃうんだよね〜。
やっぱ年かな?
体は15歳でも、頭は20歳だからな。
「やっと委員会かー。楽しみ〜〜〜」
「委員会が楽しみだなんて人、多分美夜子だけだよ…」
楽しみじゃないわけがない。
うちの高校は全員が必ず何かしら委員会に入らなきゃいけない決まりがある。
5年前の私は、純平くんが何委員会に入るのかが気がかりで、何度も何度もいっちーに確認していたなあ。
でも、今の私にはそんなものは不要なのである。
なぜなら、(当然だけど)未来を知ってるから!
「あ、藤咲と同じなんだっけか。そりゃ楽しみだわね〜」
「そうそうそうそうっ!楽しみ!!」
「何か進展したの?」
進展…というのかはわからないけど、入学式に話したあの日から、会えば挨拶を交わすようにはなっていた。
と言っても、
「あ、藤咲くん」
「おう」
程度のものなんだけど……
それでも、過去が変わったのには間違いなかった。
「もうちょい話せるようになりたいなあ…」
「靴箱のとこで会えればラッキーなのにね」
そうなのである。
私が"藤澤"で、純平くんが"藤咲"だから、靴箱が上下にあるのだ。
過去でも、そこで会えるたびあまりにも近くてドキドキした。
だけど、おはようともバイバイとも言えなかった。
高3の最後の方は少し言えるようになったけど……
ほんの、少しだけだった。
「朝も帰りも純平くん部活だから、なかなかタイミング合わないんだよなあ〜」
純平くんは、バスケ部に所属している。
背が高くて手足も長いから、純平くんのバスケはとても綺麗で。
バスケをしてる時の純平くんは一番キラキラしていた。
まあ過去に来てからはまだ一度も見れてないんだけどね。
今でもはっきり覚えてるからすごいよね。
「じゃあ今日進展できるように頑張るしかないですね、美夜子さん」
「そうなんです!頑張ります!!」
5年前の今日、私は後悔することになる。
長い時間一緒にいれたのに、ここでも見てることしかできなかったんだ。
でも今日は違う。
絶対に絶対に、変えてみせるー!!

