「あの、藤咲…くん?」
純平くん、と呼ぶには一応初対面なわけだし控えることにした。
それに反応して純平くんは私に視線を向けた。
「クラスは遠いけど、よかったら仲良くしてね!」
ぎこちないかな、私の笑顔。
でも、第一印象が肝心だから。
純平くんの中の私は、笑顔でいてほしいから。
少しでも気を抜いたら泣きそうなまま、笑顔を作った。
「うん、よろしく」
それだけの、言葉だったけれど。
そっけなく聞こえるそのセリフは、もしかしたら過去の私だったら傷ついていたかもしれないけれど。
今ここにいる私は、嬉しくてたまらなかった。
純平くんが人見知りで、女の子と話すのが苦手なのはわかってるから。
それでも、ちゃんと応えてくれる優しさも知ってるから。
こうやって、ちゃんと自己紹介を出来たことが嬉しかった。
「俺もクラス遠いけどよろしくしろよ!」
「えっ?菊池は別にいいかな」
「藤澤さんのキャラが強すぎる!」
八城のツッコミが絶妙で、私も自然と笑ってしまった。
純平くんも、笑っている。
それだけのことがたまらなく嬉しかった。
たまらなく、幸せだった。
1つ目の後悔は、なんとか消すことができたーー

