扉が開くと、そこにはズラッと並んだイスにたくさんの親御さんたちがズラッと座っていて。
みんながこちらに顔を向けて拍手をしていた。
前の列に続きながら、辺りをキョロキョロ見渡すと、私に向かって手を振っているお父さん達を見つけた。
私は軽く振り返すと、すでに入場が終わっているクラスに目を向けた。
……やっと、やっと見れる。
5年前の彼を。
ドキドキしながら彼がいるであろう方向を見ると、あの時の衝撃が、あの時と同じように全身を駆け巡った。
後ろ姿なのに、すぐにわかる。
5年前のこの時からもう、大好きだった人。
高校3年間、彼のことに関しては後悔してばかりだった。
勇気も度胸もなくて、好きになるばかりで傷つくことからは逃げてしまっていた。
戻ってきた今も、彼に対する感情は全く同じで。
きっと同じように彼以外を好きになれないんだと思った。
だからこそ、今度こそは。
後ろ姿だけを見つめてるんじゃなくて、真っ正面から彼の笑顔が見たいんだ。
絶対もう、後悔しない。
後悔先に立たずっていうけど、その後悔を私は知っているんだから。
何がなんでも叶えてみせる。
彼のクラス…B組の呼名が始まった。
あいうえお順で名前が呼ばれて行き、返事をした生徒はどんどん立ち上がる。
そしてとうとう、彼の番。
「藤咲純平」
「はい」
大好きな純平くんの声だけが、いつまでも耳に残った。

