彰君……。
早く……。
―――彰君から電話が来たのは16時頃だった。
〈♪〜♪♪〜♪♪〜♪…〉
で、電話!
私は慌てて電話を取る。
「は、はいっ!」
『菜緒…?』
――ドキッ。
「菜緒ー?」
はっ!
お母さんの声が聞こえると私は慌てて部屋に行く。
「ご、ごめん…お母さんいたから部屋に行ってた。」
私は部屋に着くと彰君に言う。
『いいよ。菜緒とゆっくり話したいし。』
――ドキッ。
「う、うん。」
彰君……。
『菜緒に電話したくて早く帰ったんだ。』
………え………
「私もずっと電話待ってた…。」
私が言うと彰君は笑う。
『うれしいな。大丈夫。明日は会えるから。』
「………え………」
あ、明日?
『初デートってやつ。』
………え………
「ぇえっ!?」
私が反応すると彰君は笑う。
『明日の10時、駅な。』
「う、うん…」
『楽しみだな。』
「うん。」
初デートかぁ。
『なぁ、菜緒…』
「ん?」
『電話なかなか切れないかも。』
……え……
「いいよ。いっぱい話そう?」
私は笑って言う。
『おう!』
私と彰君は色々話したね。
好きなテレビや音楽、学校の話。
幸せだった。
いっぱい二人で話せる事が。
「じゃあバイバイ!」
『じゃあな、また明日。』
「うん。」
明日……。
電話を切っても気分は幸せなまま。
彰君と明日デートかぁ。
本当に嬉しい。
早く明日にならないかな。
初めてのデートだ。
彰君に会いたい。
その気持ちでいっぱいになる。


