「本当に?」
「うん。ドキドキするのは彰君だからだと思うし。それに…」
………!
――――ギュッ
「よかったぁ…。オレだけ好きだったら辛いから。」
彰君は私を抱きしめ言う。
しょ、彰君!?
「しょ、彰君〜。」
ここ街中なのに……。
「オレ、菜緒が好きだったから。ずっとずっと…」
「へ?」
「クラス違かったけどすれ違う度、なんかドキドキしてさ。クラス同じになれた時うれしかった。」
彰君……。
彰君のが片思い長いんだ……。
私はギュッと彰君に抱きつく。
ねぇ彰君。
彰君は私の初恋でした。
告白されて嬉しかった。
彰君に会ってから私の平凡だった毎日は急に色どりを見せた。
「あ、ここ街中だったな!」
彰君が気付いたのは遅かった。
「い、今更!?」
私が言うと彰君は笑う。
抱きしめ合うのをやめると私達は手を繋いで歩く。
彰君とならこれからずっと幸せになれると思ってた。
離れないと信じてたんだ。
あの頃は……。
「よかった。菜緒がオレの初めての彼女で。」
彰君は笑って言う。
彰君の笑顔に言葉に私はよくドキドキする。
初めてだったんだ。
こんな気持ちもこんな幸せも。
みんなみんな。
「あーあ…明日学校お休みかぁ。」
彰君は寂しそうに言う。
「そうだね。」
彰君と学校でしか会わないしなぁ…。
「じゃあさ、明日…電話できる?」
「え?」
電話?
「オレ、明日用事あって菜緒と遊べない。でも、帰ったら電話しよ?」
「電話…」
「ちゃんと電話は菜緒が出ろよ?菜緒の親にばれたらまずいし!」
「うん!」
電話……かぁ。
うれしいなぁ。
すると
………あ………
私の家の前に着いた。
あっという間だな…。


