Pure’s





「やっぱり水族館は行きたいよな!」


「うん。」


――二時間目。


私達は修学旅行について話し合う。


「菜緒ちゃんと彰君仲良くていいな!」


同じ班で友達の優ちゃんが言う。


「そ、そんな事ないよ…」


私は照れながら言う。


「大丈夫!修学旅行ではちゃんと二人きりの時間あげるから!」


「なっ…」


ゆ、優ちゃん!!


「あれ?菜緒顔赤いぞ?」


彰君はそんな私の様子に気付き聞く。


「な、なんでもない!」


もう〜…優ちゃんは!


修学旅行の打ち合わせ。


今日のうちにある程度決まった。



来週かぁ。



ドキドキだ。



彰君と付き合ったばっかりだし意識しまくりだよぅ……。









―――放課後。


「菜緒、帰ろう。」


「え、あ…うん。」


私と彰君は一緒に帰る。


「よっ、ラブラブ!」


みんなはそんな私達を冷やかす。


うぅ……恥ずかしいよ。



私達は冷やかしを無視して教室を出る。


すると



〈ギュッ。〉


――ドキッ。


「つ、付き合ってるから。」


彰君は私の手をギュッと握る。


しょ、彰君……。


私の顔は熱い。


「う、うん。」



意識してドキドキして



その繰り返しで私は気付く。


それは彰君だからそうなるんだ。


彰君が好きだから…って。



ねぇ、彰君。


あの頃は幼なくてただキラキラ輝いてた。


今の私達にもその純粋さはあるのかな…。









「なぁ、菜緒。」


「ん?」


私と彰君は学校を出て街を歩く。


「菜緒はオレとこのまま付き合ってくれる?」


彰君は私に聞く。


私は気付いた。

自分の気持ちに。


「私ね、気付いた。やっぱり彰君が好き。」


私は素直に言う。


それは今日一日でわかった事。