――…あれから


あっという間に夏休み。


彰君を私は避けるようになった。


輝とは気まずいままだった。



輝が別れを告げたのは夏休みが始まった日。



公園に呼び出された。


「輝、何…?」


私は輝に聞く。



「別れよう。お前がこんな気持ちなら付き合えない…」



「うん…。」


私も終わりはわかってた。


「アイツが好きなんだろ?だったらアイツに行けよ。」


「……え……」


「俺、諦める。すっげー菜緒が好きだったけど…もうだめなんだよな。」


「ごめんなさい…。」


「友達に戻れるように頑張るから。」


「うん……。」



「アイツんとこ今すぐ行けよ。」


「…いいの。今は一人で。」


「……菜緒…。」


「私、平気だから。」


「俺は菜緒には幸せに…」



「いいの。大丈夫。彰君には彼女がいる。だから諦める。」


「菜緒…。」


もう…いいの……。




もう……。


〈ガチャ〉


「ただいまー。」


――輝と別れると私は家に帰る。


暑い…。


私はリビングに向かう。



すると


〈♪〜♪♪♪〜♪♪…〉


………ん?


真実から電話…。



「はい。」



『菜緒!大変!!』


……え……


真実……?



『彰君が…彰君が…』


「真実、彰君がどうしたの?」


『とにかく早く保健室に!』


ほ、保健室!?



私は慌てて行く。


彰君…彰君!!






――――……



〈ガラッ〉


保健室に着き、彰君の所へ私は行く。


すると



「あれ?菜緒…」


……え……


彰君は普通に保健室に立っている。


「あ?これ、かすり傷。頭打ったから一応検査しに病院行くけど…」


は、はい?


どういう事……?