―――休み時間。
「よかったなぁ、彰!川原と付き合えて!」
男子が彰君の席に来て言う。
「うるせぇよ。」
「どっちから告ったんだ!?」
………え………
「そんなのどうでもいいだろー。」
「彰だろ!?彰、結構前から川原好きだった系だしな!」
………え………
しょ、彰君が?
すると
「行こうぜ。菜緒。」
彰君は嫌そうな顔をして私の手を引く。
「………え!?」
「菜緒だって!」
男子は私らを冷やかす。
そんな男子を放っておき彰君は私を教室から連れ出した。
しょ、彰君ー?
彰君は黙って私を連れ出す。
しょ、彰君……。
〈ガラッ〉
――彰君が私を連れて来たのはあまり人が来ない屋上の前の階段。
私達は階段の上に座る。
すると
「ごめんな…」
………え……
彰君は申し訳なさそうな顔で階段に座るなり言ったんだ。
「き、気にしてないよ?みんな冷やかすの好きだしさ。」
聞いてていい気分するわけじゃないけど仕方ない……。
「そっか。よかった。」
彰君は安心した表情で言う。
「うん。」
そう私が言うとしばらく沈黙に……。
な、何か話さなきゃ。
すると
「あー…だめだなオレ。」
………え………
「菜緒はオレといて幸せ?」
彰君は私に聞く。
彰君……。
私は……
「わ、私…彰君の側にいたい。楽しいよ?今はちょっと意識しちゃうけど…。」
私は素直に彰君に言う。
すると
「本当か?」
彰君は私を見つめ言う。
「う、うん。」
私が言うと彰君は笑う。
そして私をいきなり抱きしめたんだ。
「え、しょ…」
「菜緒好きだ。」
そう彰君は言った。
言われた私は本当に嬉しかったよ。


