彰君の走ってる姿がかっこよくて私は好きだったんだよね。
今も走るの好きなんだなぁ…。
「走ってる姿見て俺に惚れるなよ?」
彰君は笑って言う。
「ほ、惚れないよ…。」
「わかんないよ?」
彰君はにやっと笑って言う。
――ドキッ。
………う………
彰君ってば…。
「し、彰君にだけは惚れたくないし…。」
私が言うと彰君は笑う。
「俺も菜緒に惚れないようにしよ。」
「へ?」
――ドキッ。
「菜緒、見た目幼いからロリコンだと思われたくないしな。」
…は、はい?
「し、彰くーん?」
「ちびっ子菜緒ちゃん。」
な、なっ…
「ひどい…。」
「牛乳…買って来てあげましょうか?」
「いらないもん!」
私が言うと彰君は笑った。
―――――
「この公式は…」
………うっ………
わ、わかんない…。
――数学の時間。
私は数学が昔っから大の苦手なんです。
あー…数学つまんないよ。
すると
「菜緒、どうした?だるそ…」
彰君が言う。
「わかんないんだもん。」
数学全然わかんない…。
「どこわかんない?」
彰君は私に聞く。
「ぜ、全部…。」
「じゃあ全部教える。」
彰君は笑って言うと私に数学を教えてくれた。
それはわかりやすくて数学は苦痛に感じない。
彰君…優しいなぁ。
たまに私をからかうけど…
優しさはあの頃と変わらない。
取り戻したくないのに…。
あの頃の恋心を。
なのに
取り戻しそうで…。
いけないのに…。
また
あの頃と変わらず心臓は…。
だめな私…。
どうしたら彰君にドキドキしないでいられる?
わかんないよ……。


