Pure’s






―――――――――――



「ただいま…。」


――彰君とはまともに話せないまま学校が終わり私は帰宅。


もう嫌だ…。


すると


「菜緒、おかえり。ちょっとリビング来て?大切な話があるの。」



お母さんが言う。


「うん…?」



私は重たいランドセルを床に置くと靴を脱ぎ家に上がりリビングに向かう。



なんだろ…。






〈ガチャ〉



………え……


――リビングに入ると深刻な表情でお父さんとお母さんがソファーに座っていた。


どうしたんだろ…?



「菜緒、辛いと思うけど聞いて?」


お母さんが言う。


お母さん…?



「実はな、お父さんの転勤が決まってここを離れる事になったんだ…。」



お父さんは私に言う。


………え………


「菜緒には友達もいるし寂しいかもしれないけどごめんな。」



………うそ………。


「菜緒、急遽土曜に引っ越す事になったの。」


「………え………」



土曜日…?


もうすぐだよ?


「菜緒、ごめんな。小学校最後の年だと言うのに…」


お父さん…お母さん…。


「い、いいよ。こうなった以上離れなきゃ…」



もう…


本当に彰君とはだめなんだ……。



もう…。


「明日、友達にお別れ言ってくる。私は大丈夫だよ?」



私は無理に笑って二人に言う。


「菜緒……。」


「新しいとこでもなんとか上手くやるよ!」


私は笑って言うと部屋に行った。






〈バタン〉


部屋に入ると二人にばれないように私はいっぱい泣いた。


彰君とさよならなんだ…。



もう…バイバイ……。










――――――


次の日、彰君には何も言えなかった。


友達とバイバイして…。


私はこのまま彰君から離れちゃうんだ。


寂しいけどバイバイなんだね……。