小学六年生、初めて新しいクラスでできた友達。
――日下部彰君。
「菜緒、うちの担任描いた!似てるだろ?」
「あ、本当だぁ!おかしい!」
授業中、彰君によく私は話しかけられていた。
彰君は明るくて良い子。
最初は緊張してた私。
でもだんだん彰君のペースに慣れて私もしゃべるようになる。
それでたまに先生に怒られちゃうけど。
「彰君、ドッジボール怖いよー。やだぁ!」
体育の時間。
私は彰君に言う。
「大丈夫!オレが菜緒守る!」
彰君は大嫌いなドッジボールにびびる私に言う。
「本当?」
「大丈夫だよ!」
彰君が言うと私は笑った。
彰君が好き。
でも友達としてなのかはわからないの。
「菜緒、帰ろう!」
「うん!」
放課後、私と彰君は一緒に帰る。
「なぁ、修学旅行さ!一緒の班なろうな!」
「うん!」
「菜緒といたいし。」
――ドキッ。
「う、うん。」
たまに
彰君にドキドキする私がいる。
なんでかな…。
「あ、菜緒にこれやる!」
彰君はポケットから取り出し、何かを私に渡す。
………あ………
「可愛い!」
可愛らしい苺のキーホルダーだった。
「どうしたの?これ。」
私は彰君に聞く。
「菜緒好きかなぁと思って!」
「ありがとう!宝物にするね。」
私は笑って言う。
私が言うと彰君は笑った。
すると私の手を握ったんだ。
………え………
「彰君…?」
「オレ、菜緒が好き。初めて会った時から。」
……え………
始業式から時間が少し経った日に私は初めて告白された。
でもまだ気持ちはわからなくて…
自分の気持ちを彰君に伝えられないまま私は家に帰った。