いつまでも色褪せない幼い初恋の思い出。
ただの思い出になると思ってた。
あの時は。
でも
本当は私の中でまだ消えてなかったんだ。
あの頃の気持ちは。
今と過去。
私は変わっているのかな?
―――4年前春。
クラス替えかぁ。
小6で突然クラス替えが決まった。
最後の年で友達とクラス離れちゃうなんて…。
寂しいなぁ。
始業式を終え、私はクラスに行き自分の席を探してた。
えーっと…
廊下際の後ろから二番目の席。
あー…私ちびっこで前人いると見づらいのに後ろの方かぁ。
まあ席替えまでの辛抱だよね!
私は席につく。
あーあ…このクラスで上手くやれるかなぁ。
私は周りを見渡しながら思う。
友達…できるかなぁ。
すると
――ポンッ。
……え……
突然誰かに肩を叩かれた。
私は振り向く。
………あ………
「オレ、隣の席の日下部彰!よろしくな!」
「あ、はい…」
私に声をかけてきたのは可愛らしい顔をした男子。
彰君かぁ。
「菜緒だよな?」
「へ?」
なんで私の名前知ってるのかな?
「仲良くやろうな!」
彼は笑って言う。
――ドキッ。
「う、うん…」
なんでドキッとするのー?
私にはその理由がまだ分からなかった。
日下部彰君…。
仲良くなれるかなぁ?
すると
「オレ、菜緒と仲良くなりたい!いっぱい話そうな!」
――ドキッ。
「え、あ…うん…」
今まで男子に友達を作らなかった私には呼び捨ては不慣れだった。
だから呼ばれる時ドキッとしたんだと私は思い込んでいた。
これが始まりだった。
私達の……。