嬉しそうに笑う課長に頬が緩んでしまう。
まさかの妊娠には、驚いてしまったけど嬉しい。
 そして和季が眠っているベッドに戻ると
課長に申し訳ない気持ちで謝罪した。

「あの……私のせいで車をダメにして申し訳ありませんでした」

 怒られても仕方がないと思っている。
そうしたら私の頭を優しくポンポンと撫でてくれた。
 私は、驚いて課長を見た。

「車なんてまた、新しいのを買えばいい。
それより、お前達が無事で本当に良かった。
 車の代わりは、いくらでも買い替えられるけど
亜季や和季の代わりなんて居ないからな。
 俺にとったら、お前らが1番大切だ!」

 そう言ってニコッと微笑んでくれた。凄く感動した。
私も課長と和季が1番大切だから
だから生きていて良かった……。

「それより、新しい家族がもう1人増えるんだ。
早速名前を決めないとな」

「フフッ……もうですか?まだ産まれるのは、先ですよ」

「何を言うか。名前は、大切なんだから
 今から慎重に選ばないと。次は、娘がいいのだが
俺に似るのは、まずいよなぁ~」

 課長は、ブツブツと独り言を言っていた。
その姿が可笑しくて笑ってしまった。
やっぱり家族と一緒に居るこの空間がとても好きだった。

 だから早く産まれておいで。
そう言いながら優しく自分のお腹を撫でる。
 課長と寄り添いながら……。

 それから1年後。
課長は、いつもの通りに帰宅した。
 「ただいま」と言うと真っ先に走って出迎えたのは、和季だった。
課長は、和季を抱き上げた。

「パパ。おかーしゃい」

「あなた。お帰りなさい」

 その後から私が出迎えた。もちろん
あの時にお腹に宿してた娘の結花を抱っこして。
 まだ生後5ヶ月だ。