あっ……どうしよう!?
 あんな中途半端な書き方をしたメールだなんて
相手に対して失礼じゃない。謝りのメールを……。
 そう思っていたら、またメールが来た。青柳さんだ!!

 『さっきのメールを読ませてもらいました。
無理に元気に振る舞う必要はないと思います。
 悩み、相手の気持ちを考えているからこそ人は、
成長が出来るものだと思います!』

 そう書かれていた。 悩み……。
相手の気持ちを考えているからこそ成長が出来る……?
 今の私には、心に響く言葉だった。
私は、もう一度メールを書いて送った。

 それから青柳さんとは、自然とメールのやり取りをするようになった。
 悩み相談とか……色々。

 彼は、私に的確なアドバイスをしてくれるだけじゃなくて聞いてもくれた。
 そうすると自然と自分の心の中がさらけ出せるようになれた。

 どうして…こんなにも心の中の事が言えるのだろうか?
不思議。そんな時、青柳さんから会わないかとメールが来た。
 会う……彼と?正直戸惑ってしまう。

 こんなにも相談に乗ってくれるし素敵な人だと思う。
だけど……今は、新しい恋とか考えられなかった。
 向こうは、ただの親切心で言っただけかも知れない。
フッと課長の顔が浮かんだ。

「………」

 でも、課長の気持ちを吹っ切れない限りずっと私は、想い続けるだろう。
早く吹っ切らなくちゃあ……。

 私は、その話を受け入れた。
会えば気持ちも変わるかも知れない。そう思ったからだ。
 翌日の夜。私は、待ち合わせをして青柳さんと会った。

「お待たせ。遅くなってすまない」

「いえ、私もいま来た所ですから」

 私は、軽く頭を下げた。
そして近くの居酒屋で食事をする。
 何か話す訳でもなく黙ってお酒を飲んでいた。

「それで少しは、前向きになれたのか?」