もし、あの子が本当に漣の彼女だったら…と思うと聞けなくなる。
これが本音。
この時間までもなくなってしまいそうで…。私の唯一の楽しみがなくなってしまう。確かに友達は他にいるけど、
それは全て女子。そんなのつまんない。
人生楽しんだほうがいいんだ!
だから…、聞けなくなる。
「じゃ、話していい?」
えっ…!!話すんだ…。
「いいけど…」
「あの子は、彼女じゃない。ただの幼なじみ。だから、別に好きじゃないから!」
「うん。」
「そんだけだから…。」
「うん。」
「あ…!これあげる。」
そう言って漣は、私の手に冷たい何かを落した。
それは…
漣と同じリングのピアスだった。
「えっ…、これって…」
「ペア…。」
え?今、ペアって…
「なんで?」
「おそろい。いいだろ?」
「あり…がと…。」
「おう。」

