スケッチブックに描くもの

「良かった。で、何人?」

 そう言って離れた。ドキドキがおさまるけど、居心地良かったな。涼の腕の中。昨日はドキドキし過ぎてわからなかったし。
 って!? 何人って? えっ! 聞くそれ?

「アリス。何人?」
「え。嫌だよ。そんなの答えない」
「ふーん。そんなに多いんだ」
「そんなことない! と、思う。あんまり覚えてないかも……」
「えっ!」
「だって一日保たなかったり……」

 今思い出した数でいいかな?

「アリス……」

 あ、涼、絶句してる。

「五人かな?」

「多い……」

「ほとんど、というか全員5日も付き合ってないし」

「短っ!」

 涼の顔が不安気になってる。ああ、俺もその一人かみたいに。

「違うの。好きって思っても、なんか違ってたの」

 ああ、なんと言えばいいの。

「こんなに好きになったのは涼がはじめて!」

 い、勢いで抱きついちゃった。でも、言ったことは本当。

「こんな風に抱きついたことも一度もない」

 あ、また揺れてる。

「もう! 笑ってる?」

 見上げると笑顔な涼。

 っていうか、こんなことさらっとできてる涼のが多いんじゃない?

「涼は何人よ?」

 聞いたけど答え聞きたくない。ああ、私ばか。