スケッチブックに描くもの

 はあー。
 と、佐伯君が帰ってきた。早っ!
 手には甘党なのかエクレア二つ。え!? もしや私が二つ? 私のことどんな大食いだと思ってるのか。あとは飲み物も持っている。どんな手を使って割り込んだんだろう。列はまだまだあるのに。


「屋上って食べれる?」

「あーっと、多分」

 佐伯君より先にいるけど、ほとんど変わらないんだけど、ちょっとだけこの学校に長く通ってる私が答える。
 二人で屋上に行く。うわー。穴場だね。気持ちいい。今の季節は特に。
 ちゃんとベンチが置いてあった。誰もいないし、いい天気、最高。
 二人でお弁当広げて

「いただきます」
「いただきます」

 うう、どうしよう会話。考えてなかった。何か黙々と食べてるし。……あ。

「エクレア!!」
「何?」
「冷たくって美味しいって言われてた!」

 佐伯君なぜか笑ってる。