「………最近、敵さん来ないね?」
「良い事じゃねぇか」
「その分、力を集めてるんでしょうね」
「リキ、現実染みた事言うな」
「現実でしょう」
イーチェとリキと俺。人気の多いこの場所で情報を集めている。
「そういや、リキとガインはまた別行動になるんだっけ?」
「えぇ、そうです」
「オグニも連れて行けばいいのに」
「リャンヤルも連れて行きますから大丈夫ですよ。」
「俺らが襲われればサーシャがリキ達に連絡できるし、リキは鳥操れるから連絡できるしな」
「戦いはガインに任せればすぐ終わりますしね」
「三人で問題ねぇんだよ。」
そもそも、リキとガインとはほとんど一緒にいねぇ。おそらく、この旅が最も長く一緒にいると思う。
ノーノミヤスの時は、情報収集で他国を点々としていた。それが彼らの仕事でもあったからだ。
あちこちから、商人の声が飛ぶ。イーチェが反応すれば別だが、食糧の買い物はサーシャとオグニに任せてあるから別に買う物はない。