アクアは紙束を、木の上にいる紺色の髪の男……ウサメワへと投げた


それを、キャッチしたウサメワは、一通り眼を通す




「どうやら、この世界のものではないみたいですよ」


「これは、本当か?」


「えぇ。ともなれば、あの本の内容にある存在だったという事に」




女は話しにはいっていけず、ムスッと口を尖らせて、男に紙束をくれるように手を差し出した



ウサメワはそれをチラリと見ただけで、紙束を渡そうとしなかった





「獅子王の首枷か」


「えぇ。獅子王の復活が近づけば目覚め、封印する為の存在でもあるとのこと」


「自害されると厄介だな」


「………あぁ、そういや目の前で見たんでしたっけ?」


「………」




ニヤニヤと笑うアクアに、ウサメワは舌打ちする。




「………冥王の件はどうなった」


「それがまったく。一つどころか、存在すらしないのではという感じですかね」