「ふぅ。だいぶ、解読できたです」
「………似たような事ばかり書かれてんなぁ?」
「私達のように、器を護衛していた騎士とやらが書いていった本なんでしょうね」
「つまり、今でいえばナンティルが書くって事か」
「なんで僕が書く事になるですか。面倒です。」
あれから、約一年。
今、第三大陸と呼ばれる場所へ来ている。
「……ふーん、やっぱただの子どもじゃねぇのね、あの餓鬼」
「何度も言ってるんだがな、それ」
「リャンちゃん、人の話聞かないもんね」
「そうそう。本当に皇子さんなんすかね、リャンちゃんって」
「リャンちゃん言うな。ちゃんをとれや」
……あの日から、行動を共にしている帝国の皇子さんのリャンちゃん
彼は本当に器で、しかも龍の力を手に入れているらしい。